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ザ・キャンパス NOW

色が変わる! 旨さも変わる! 「ときめき 電ツ~うどん」

大阪電気通信大学の研究成果を、四國うどんが商品化!

オヤッ!不思議。茹でたうどんにスダチを振りかけて混ぜれば、麺の色が「紫色」から、「ピンク色」に変化!
これって、マジック? いえ、本当なのです!
大阪電気通信大学・工学部基礎理工学科、森田研究室が開発に成功した、色が変わる不思議なうどん「ときめき 電ツ~うどん」。
大学と寝屋川の老舗うどん専門店、そして寝屋川市ががっちりスクラム!
大学研究室から生まれた研究成果を見事に商品化。産官学連携が見事に結実した好例として、今、熱い注目を浴びています!
四國うどん料理長の柿本祐さん(左)、同社、経理課長の竹橋律子さん(中)、大阪電気通信大学・工学部基礎理工学科 樋口達也さん(右)(四國うどん河北本店 にて)
四國うどん料理長の柿本祐さん(左)、同社、経理課長の竹橋律子さん(中)、大阪電気通信大学・工学部基礎理工学科 樋口達也さん(右)(四國うどん河北本店 にて)

アントシアニンって?

まずは、研究リーダーとして、開発を担当した大阪電気通信大学・工学部基礎理工学科4年生の樋口達也さんに、このうどんを紹介してもらいましょう。
「通常のうどん麺のレシピに、アントシアニンを多く含む紫いも粉を練り込み、紫色の麺をつくりました。この麺に酸性の果汁を加えると、アントシアニンは、pH(※)によって化学構造が変化し、色が変わって見えます。この性質を用いて、うどんをおいしく味わえ、遊び心を加えて商品化できないものかと、研究にチャレンジしました」。

※pHとは?
水素イオン濃度指数のこと。酸性や塩基性(アルカリ性)の度合いを表す指数で、pH7が中性、pHの値が7より小さくなると酸性、7より大きくなると塩基性。代表的なpH指示薬としては、リトマス試験紙がある。
「化学の知識を、食べ物に活かせたら…」と、樋口さん
「化学の知識を、食べ物に活かせたら…」と、樋口さん
樋口達也さんの指導准教授、森田成昭さんは、身近な物質の分子構造や分子機能を光を使って、それらの相互作用を調べる「分子分光」がご専門の研究者。
「紫いも粉に含まれているアントシアニンは天然の色素で、そのようなポリフェノールは、抗酸化作用、抗ガン作用があるといわれています。本大学では、研究成果を広く社会に還元することを目標にしており、私の研究室でも、化学の知識を食品に応用することをテーマの一つにしていることから、折から寝屋川市主催の「ワガヤネヤガワ・ベンチャービジネスコンテスト2014」に、研究の一環として取り組むことにいたしました。
「研究成果を、広く社会に還元したいですね」と意欲を燃やす森田成昭准教授
「研究成果を、広く社会に還元したいですね」と意欲を燃やす森田成昭准教授

色を変えることへの試練

樋口さんはコンテスト会場・アルカスホール(寝屋川市)で、この色が変わるうどんを審査委員を前にプレゼンテ―ション。うどんの製法だけではなく、店舗のコンセプト、売上目標なども織り込んで幅広い視野から提案。数ある応募の中で、商業部門の第1位に輝きました。
実際のうどん作りの苦心した点を、樋口さんに語ってもらいましょう。
「小麦粉、水、塩、紫いも粉の配合率、うどんの太さなどで、色の変わり方や速度が微妙に違い、はやく色が変わる麺に仕上げることに時間がかかりました。しかし、研究を重ねた結果、予想していた通り、色が変わりうれしかったですね。うどんだけではなく、クッキーや、たこ焼き、お好み焼きなど、小麦粉を使う食品にもいろいろトライしました。しかし、焼く工程が入ることで色の変化が分かりにくかったり、卵を用いた食品は塩基性(アルカリ性)の度合いがまさり、色が緑色に代わっておいしそうな結果に仕上がらず、うまくいかなかったです。研究の過程で、さまざまな知識を得られたこともプラスです」。

実際に商品化されて、四國うどんでデビュー!

寝屋川市のコンテスト事務局が、実際の市場での商品化を目指し、大学と企業を橋渡し。大学の研究室で手打ちしていた麺は、株式会社四國うどんが製麺を担当し、プロの手で、よりおいしくなって新メニューとして登場!


四國うどん料理長の柿本祐さんからは、商品化するにあたって次のようなコメントをいただきました。
「一番頭を絞ったのは、“硬さ”ですね。店用となると、麺を作って切った後、置いておけるようにしなければなりませんから、ある程度の硬さが必要です。次に、お客様へのご提供の仕方。商品のポイントは麺の色変わりですから、色が変わる前と、変わった後の両方を目で楽しんでいただきたい。そこで、両方をあわせて盛れるアベック丼の入れ物を選びました。お陰様で、お客様に好評です」。

“大学発のアイデアうどん”ということで、地元・寝屋川をはじめ、評判は上々。
同社、経理課長の竹橋律子さんは、「私たちも絶えず新しい商品開発を考えているのですが、このうどんのように開発ストーリーが明確にあり、産官学の繋がりの中で新メニューが生まれることはうれしいことですね」と笑顔。
右が色が変わる前、左が色が変わったうどん!
右が色が変わる前、左が色が変わったうどん!
ゆず酢をかけて、うどんを混ぜる柿本料理長
ゆず酢をかけて、うどんを混ぜる柿本料理長
◆大阪電気通信大学発「ときめき 電ツ~うどん」が味わえるお店<br>四國うどん河北本店
◆大阪電気通信大学発「ときめき 電ツ~うどん」が味わえるお店
四國うどん河北本店
「ときめき 電ツ~うどん」の店頭メニュー
「ときめき 電ツ~うどん」の店頭メニュー
企業と大学と地方公共団体などが連携して、新しい技術開発・事業創出・商品開発などを行う産官学連携。
コンテスト事務局のご担当である寝屋川市市民生活部産業振興室の鵜飼麻理さんからは、「昨年、初めて募集がスタートして、皆さんの協力で商品化されて大変喜ばしいことです。今年のプレゼンや、昨年の樋口さんなどコンテスト受賞者が登壇する成果発表会をアルカスホールで予定しておりますので、ぜひご来場ください」とのメッセージ。
地方創生が叫ばれる時代、地域産業振興に結びつくことがますます期待されている産官学連携。
ぜひ一度、色の変わり具合とおいしい麺をお店で味わってください!

◆「ワガヤネヤガワ・ベンチャービジネスコンテスト」とは?
「寝屋川市産業振興条例」の基本的な考え方である「連携と協働」を念頭に、市内産業振興を推進する事業として、「工業(ものづくり)」「商業」「農業」「協働」の4部門に対する学生のビジネスプランを募集。
応募資格は、寝屋川市が包括連携協定を締結している、以下の学校法人等の学生及び生徒(個人又はグループ)。
学校法人大阪電気通信大学、学校法人常翔学園、学校法人聖母女学院、学校法人同志社、公立大学法人大阪府立大学、学校法人関西医科大学、学校法人大阪国際学園【順不同】

◆お知らせ! ワガヤネヤガワ・ベンチャービジネスコンテスト2015グランプリ発表会
今年の部門賞受賞プランの中からグランプリを決定する「グランプリ発表会」、2014年コンテストの成果発表会が12月19日(土曜)にアルカスホールにて開催されます。
詳しくは。寝屋川市のホームページまで。