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ザ・キャンパス NOW

摂南大学 創立40周年記念「地方創生・地域づくりセミナー」レポート

地方都市の未来像を考える!

●少子高齢化時代と地方都市
現在、政府により、地域振興・活性化といった地方創生が進められています。
なかでも少子高齢化・人口減少が地方都市の経済に及ぼす影響には切実な問題があります。

「選択と集中」という言葉のもと、地方中枢都市では、若者たちを地方都市に押しとどめるという「人口ダム機能」を高める政策がとられ、またこれらに準ずる規模の地方都市では、行政の効率化を理由にコンパクトなまちづくりを行うなど一定の方向性も示されています。
しかし、それらは住民にとって必ずしも十分な施策でなかったり、それ以外の大多数の地方小都市では、今後、まちづくりをどのように進めていくのか、大きなテーマでもあります。
トップダウン方式の地方創生だけでいいのか、日本の未来にっとても大きな問題です!

●「スローシティ」をキーワードに、まちづくりを考えよう!
これからの、地方小都市のまちづくりのあり方は?
そのヒントを与えてくれるものが、「スローシティ」という考え方です。
スローシティ運動は、地域住民の意識改革によって、より良い地域の暮らしを目指そうというものです。
摂南大学・経済学部、植杉教授のゼミでは、3年前から東日本大震災で甚大な被害を受けた地方都市を調査研究。研究の中でこのスローシティに着目し、その成果を公開で発表することとなりました。
11月26日(木)、寝屋川キャンパス プチテアトルにて、八木学長の開会挨拶に続き、学生の研究発表、パネルディスカッションなど、地方都市の未来像を探るセミナーが多数参加のもと、開催されました。

【主催者・パネラーの方々】
開会挨拶:摂南大学 八木紀一郎学長
企画・コーディネーター:同大学・経済学部 植杉大教授
学生による研究発表:同大学・経済学部4年生 中尾知樹・中島優也さん
パネルディスカッション:気仙沼商工会議所会頭 菅原昭彦氏、早稲田大学・社会科学総合学術院 早田宰教授、摂南大学・経済学部 後藤和子教授
■開会挨拶:摂南大学 八木紀一郎学長<br>摂南大学 創立40周年記念「地方創生・地域づくりセミナー」の開催にあたり、大学を代表して、「今、社会から関心のあるテーマに、教員・学生が一体になって取り組み、発表できる喜び」の挨拶と、参加者へのお礼を述べられました。<br>
■開会挨拶:摂南大学 八木紀一郎学長
摂南大学 創立40周年記念「地方創生・地域づくりセミナー」の開催にあたり、大学を代表して、「今、社会から関心のあるテーマに、教員・学生が一体になって取り組み、発表できる喜び」の挨拶と、参加者へのお礼を述べられました。
■企画・コーディネーター:摂南大学・経済学部 植杉大教授
地方創生という言葉が一般に言われるようになりました。しかし、いかにそれらを進めていくのか、国は地方自治体に、地方自治体はシンクタンクに丸投げの傾向がみられるという問題意識から本テーマにゼミをあげて取り組みました。
甚大な地震被害にあった気仙沼をモデルに、スローシティというキーワードを軸に、地方創生に係わるフィールド研究を続けてきた学生の研究成果を聴いてくださいと話されました。
■摂南大学・経済学部4年生 中尾知樹さん(左)・同経済学部4年生 中島優也さん(右)<br>地方創生で、地方中核都市に対する活性化が脚光を浴びているが、その背景にある地方小都市の創生活動はどうなるのか?<br>私たちは、これらの都市が存続競争に明け暮れるのではなく、スローシティ概念を大切に、本来持っているそのまち独自の資源を活用し、生き残る価値を創っていくことが大切であると考えました。<br>そのためには、自分たちの住んでいるまちの特性を今一度見直し、強みを発揮してまちづくりを進めていくことが何よりも大切で、他のまちもこれらの成功例を適応することで、地方に活気を取り戻せるのではないだろうか、と発表しました。<br>
■摂南大学・経済学部4年生 中尾知樹さん(左)・同経済学部4年生 中島優也さん(右)
地方創生で、地方中核都市に対する活性化が脚光を浴びているが、その背景にある地方小都市の創生活動はどうなるのか?
私たちは、これらの都市が存続競争に明け暮れるのではなく、スローシティ概念を大切に、本来持っているそのまち独自の資源を活用し、生き残る価値を創っていくことが大切であると考えました。
そのためには、自分たちの住んでいるまちの特性を今一度見直し、強みを発揮してまちづくりを進めていくことが何よりも大切で、他のまちもこれらの成功例を適応することで、地方に活気を取り戻せるのではないだろうか、と発表しました。
■気仙沼商工会議所会頭 菅原昭彦氏
気仙沼で、歴史ある酒造り老舗の清酒蒼天伝醸造元・株式会社男山本店代表取締役で、スローフード気仙沼の理事長、さらに気仙沼商工会議所会頭の要職にある菅原氏は、地域活性化の伝道師として、地域を挙げて、「食」を核とするまちづくりを積極的に推進しておられます。
まずは気仙沼の津波被害の状況を話され、復興のためのまちづくりのあり方について、様々な視点から説明されました。さらに、気仙沼がスローシティ国際組織の協会本部(イタリア)から、日本で初めてスローシティに認定されたことを活用し、「地域の食材を活かしたまちづくり」をテーマに観光振興、地域づくりを目指して、市民参加型のまちづくりを進めていくことの意義や意味をわかりやすく話されました。
■早稲田大学・社会科学総合学術院 早田宰教授
スローシティの「スロー」が持つ意味の大切さを強調され、「あせって住民不在のまちづくり」をするのではなく、「人間が人間らしく生きることが出来るまちづくり」を進めていくことの重要性を、資源循環や人間性尊重の観点から学問的知見を交えて、興味深く話されました。
■摂南大学・経済学部 後藤 和子教授
「スローフード・スローシティと地方創生」と題し、スローフードの意味やスローシティ運動の意義、文化的景観と伝統的産業、ミラノ万博における日本館の成功、摂南大学のイタリアからの留学生から学んだこと、地方創生とスローシティ運動の課題などについてを、基本的な概念から今後の問題までわかりやすく話されました。
左から、中尾さん、中島さん、後藤教授、早田教授、菅原会頭。活発な質疑応答が展開され、創立40周年記念にふさわしい公開セミナーとなりました
左から、中尾さん、中島さん、後藤教授、早田教授、菅原会頭。活発な質疑応答が展開され、創立40周年記念にふさわしい公開セミナーとなりました
パネルディスカッション終了後、主催者・パネラー全員で記念撮影