「ある すいようびの ことだった　むらのおばさんの バケツから　ぴしゃんと みずが ひとしずく　とびだしてながい たびに でた　ひとりぼっちで たびに でた」。詩を口ずさむような軽快な語り口にのって、「しずく」と一緒に旅に出てみましょう。
　きれい好きな「しずく」がほこりで汚れてしまい、きらきらしていた元の姿に戻るため洗濯屋や病院へ行きます。ところが、そこから逃げ出して泥水にはまり、やがて太陽に照りつけられて水蒸気になります。そして、雲にたどり着いたと思ったら雨になって地面に落ち、夜の寒さに耐えきれず氷のかけらになってしまい…。まだまだ続く「しずく」の冒険は本を読んでのお楽しみ。
　水が水蒸気や氷へ変化する様子を科学と芸術が一体になって描き出しています。目鼻と手足がついた「しずく」の絵など、ユーモアに満ちあふれています。